海南高校美術部がデザイン
海南高校美術部員が提案し、海南市の老舗漆器メーカー、橋本漆芸が製作を手掛けたインテリア用ナンバープレートが3月に完成し、同市船尾のうるわし館で展示されている。デザインを担当した3年の井上実希さんは「漆器に絵をつける技法の一つ、蒔絵(まきえ)の魅力を、特に若い人たちに知ってほしい」と願う。
「生活に漆器を引き戻す」をテーマに、海南高校と橋本漆芸が昨年5月から取り組んできた。同社に残る昭和初期の漆器用下絵を見て、部員8人がイメージをふくらませ、スニーカー、スマートフォンケース、自動販売機など、1人100個ずつアイデアを出した。この中から徳川御三家のうち、唯一ない〝紀州〟のナンバープレートに決めた。
紀州犬と梅をあしらったデザインで、これを元に、橋本漆芸の職人が蒔絵の技法を生かして仕上げた。美術部の3年、奧野絢香部長は「目を引く、想像以上の出来になりました」とにっこり。同社の大橋善弘さんは「若い世代で日常的に使うことがめずらしくなってきた漆器を、身近に感じてもらうきっかけになればうれしいですね」と期待していた。
(ニュース和歌山/2022年4月9日更新)