夏から秋にかけては雨が多くなります。そんな時に備え、和歌山市には、道路の下に雨水をためる大きなトンネルがあるんです。和歌山市役所下水道施設課の福島謙二課長に聞きました。

 

街が水びたし

 雨水は道路の横にある溝を通り、下水道から川へ流れます。でも、台風や豪雨のように、激しい雨がたくさん降ると、水路からあふれ、道路や家が水びたしになってしまう恐れが…。2009年の豪雨や2012年の台風などで、家や田んぼは水につかりました。

 

2012年の台風で水びたしになった街(和歌山県防災航空隊が撮影しました)

 

プール80杯分

 こうした被害を少なくしようと2020年に完成したのが、雨水をためるトンネルです。宮小学校(和歌山市秋月)の東側を通る県道松島本渡線の下に埋まっています。

 トンネルは直径4・5㍍、長さ1200㍍と大きく、ためられる水の量は、なんと小学校のプール約80杯分! 大雨の時、3ヵ所の入り口から水が流れ込みます。ここにたまった水は、ポンプ3台を使って和田川へ押し出します。福島課長は「雨水を一度ためておく施設は和歌山市に3ヵ所。トンネル型はここだけです」と話します。

 

 

 (ニュース和歌山/2022年7月2日更新)