2009年、一軒の店が街の活気を生むムーブメントの源になると、中心市街地への出店を決意した。

 選んだ十一番丁の建物は高度経済成長期に生まれたコンクリートビル。裏には市堀川が流れる。丁という字、かつて和歌山城内であった誇りの表れらしい。外堀だった市堀川の遊歩道はまだムーブメントこそ感じないが、歴史を重ねた石垣とレンガの壁が、今後始まる何かを期待させる。

 ここに新たな歴史を積み重ねることができたら、きっと最高の場所になる。

(源じろう計画事務所 半田雅義さん)

 和歌山市の市街地を流れる内川を切り取った1枚を紹介する「MIZBE SCENE(ミズベ・シーン)」は隔週土曜号で連載します。

(ニュース和歌山/2017年7月29日更新)