怖さ:2
里の妖怪
出没地域:和歌山市

 和歌山市出身の作家、竹内義和さんのお父さんが子供のころ、外で遊んでいると、近所のお爺さんが縁側に座っていた。そのお爺さんはいつも楽しい話を聞かせてくれるので、これ幸いと近づくと、近所のおばさんに止められた。おばさんは「あれはお爺さんやない、さるすべりや…。お爺さんはもう死んだんや」と言った。さるすべりは人に害をなす妖怪ではないが、人に化けて悪戯をするらしく、おばさんが井戸の水をお爺さんにかけると、スルスルッとリスのような正体を現し、山のほうへ逃げていったという。
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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2018年1月27日更新)