怖さ:5
山の妖怪
出没地域:果無(はてなし)山脈

 一つ目、一つ足で、和歌山と奈良の境、果無山脈に出る。12月20日にだけ現れ、山に入った人を食らう怖い妖怪。この日は「果ての20日」と呼ばれ、厄日とされた。熊野では雪の上に幅1尺(約30㌢)ほどの足跡が残っていると、この妖怪の仕業とした。名前にある「だたら」はタタラ師(鍛冶師)に通じ、火から片目を守り、片足で鞴(ふいご)を踏む作業を繰り返すことから、重労働で片目と片脚が萎(な)えた鍛冶師になぞらえたとの説も。日本神話に登場する製鉄・鍛冶の神、天目一箇神(あめのまひとつのかみ)の落ちぶれた姿とも考えられている。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2018年2月24日更新)