和大附属小 防災委員会が啓発

 自分の命を守る大切さを伝えたい──。和歌山市吹上の和歌山大学教育学部附属小学校には、児童の防災意識を高めようと啓発に力を入れる防災委員会がある。6年の長尾瑛紗(てれさ)副委員長は「災害時、みんなが1分1秒でも早く、落ち着いて避難できるようにしたい」と力を込める。

 防災について調べた総合学習から発展し、児童が自主的に常時活動できる場をと4年前に立ち上がった。これまで災害時に役立つ新聞スリッパとポリ袋を使った三角巾の作り方を教えるワークショップやクイズ形式の劇を行ったほか、家族で避難場所や防災用品の再確認を勧める新聞を作成してきた。

 委員は5、6年生18人で、現在は6月25日に実施する避難訓練の準備を進める。校内だけでなく、通学途中で地震が発生した場合を想定し、「街中では窓や壁から離れる」や、電車やバスで通学する児童もいることから、発生時「つり革をしっかり持つ」と記したポスターを製作。「押さない、駆けない、しゃべらない、戻らない」の避難4原則をひらがなで大きく書いた垂れ幕も作り、低学年に分かりやすく訴える。

 訓練後にポスターや垂れ幕を見せながら呼びかける予定。6年の橋詰寧音(ねね)さんは「頭で分かっていても実際地震が起きると行動できないことがある。何度も訓練で繰り返し伝え、普段から心がけてくれるようになれば」と願う。

 同委員会担当の矢出大介教諭は「子どもは危機意識が高く、委員の訴えで学校、そして家族へと防災の輪が広がっている」と見守っている。

写真=校内での防災活動について話し合う委員会メンバー

(ニュース和歌山/2018年6月23日更新)