怖さ:5
川の妖怪
出没地域:田辺市本宮町

 ある長者の屋敷に奉公していたお砂という娘が、ある日を境に夜な夜などこかへ出て行くようになった。家の者が不思議に思って後をつけると、川の深そうな淵の辺りで、ふっとその姿が消えた。家の者が「お砂~、お砂~…」と淵に向かって叫ぶと、中から12本の角が生えた鬼女が現れた。家の者が震えながら鬼女の方をよく見ると、その顔はお砂。鬼女は「この事は他言するな。誰かに言うたら、必ず殺すぞ」と言う。なんと、お砂はその淵で千年も生き続ける魔物にとり憑かれていたのだそうだ。お砂はそのまま淵に棲み、鬼女になってしまった。

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(ニュース和歌山/2019年5月11日更新)