怖さ:3
山の妖怪
出没地域:熊野地域

 昔の人は規格はずれの巨大なものを崇(あが)めたり、妖怪視したりした。それは、大自然が育んだ未知を意味しており、大自然の前では人間はいかにちっぽけなものかを表している。特に大蛇や大亀、大蟹(おおがに)、大猫など、大きな動物の目撃例が多いが、こんな話もある。熊野山中の炭を焼く小屋に、しばしば7尺ほどの大山伏が来るという。7尺といえば2㍍以上。山中で出くわすと、さぞ驚いた事だろう。もし、その者が現れたら、魚や鳥の肉を火の中に入れれば、生臭さを嫌がって去ると言われている。同じ熊野では、白い装束姿の女が猪(いのしし)の群れを追いかけて出て来る事もあるそうだ。

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(ニュース和歌山/2019年7月20日更新)