怖さ:3
家の妖怪
出没地域:和歌山市

 知人のMさんが寝ていると、天井の方からだれかが名前を呼ぶ。どこかで聞いたような声なのだが、怖くて見ることができない。声がだんだん近づいてくるので、そっと目を開けてみた。そこには髪をふりみだした老婆が天井からぶら下がっていた。後日、この話を幼なじみの集まりですると、一人が口火を切って、「それ、 駄菓子屋のおばあちゃんやろ?」と言った。そこではっとした。昔通った駄菓子屋のおばあちゃんに間違いない。その老婆は、他の幼なじみの天井からも出てきたという。昔を懐かしんで現れたのかと思い、駄菓子屋に向かったが、店はもうなかった。

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(ニュース和歌山/2020年3月28日更新)