今ではこの石碑の文字に注目する人も少ないことでしょう。

 正面(北側)には「憲法発布三十年記念樹、和歌山市長遠藤慎司謹書」とあります。裏面には「大正八年二月十一日、和歌山市」とあって、一八八九(明治二十二)年、大日本帝国憲法が発布されて30年を記念して和歌山市が建立したものです。

 石碑の左右のクスノキは、今でこそ岡口門前広場のランドマークのようになっていますが、建碑当時の写真では石碑の左右に植樹されたか細い苗木であったことが分かります。建碑から102年後のクスノキの成長ぶりです。

 紀国堂店主、溝端佳則さんの古写真を紹介します。

写真=クスノキは立派に生い茂り、石碑を覆っている

(ニュース和歌山/2021年2月20日更新)