怖さ:3
水の妖怪
出没地域:和歌山市

 イモリは井戸を守るから「井守」というと子どものころに教わった。害虫を食べるので、うなずける話だ。昔、共有の井戸がどの町内にもあった。ある男が酔っ払って井戸におしっこをしてしまい、しばらく井戸を使えなくなった。住人は怒ったが、当の本人は特に悪びれることもない。ある日、男が道の水溜(みずた)まりを避けようとしたら、水溜まりから小人がわらわらと現れ、男の体によじ登ってきては、「水を汚すな」とささやき続けた。男が謝ると、小人たちは水溜まりに戻り、イモリの姿になった。怒ったのは住人だけではなかったのだ。

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(ニュース和歌山/2021年4月24日更新)