以前、海南市の国道42号沿い、船尾交番前にあるタヌキの置物の謎を解決しましたが、今回も同市の国道沿いにある置物についてです。和歌山市のばたっこさんから届いた「国道370号沿いに大きな熊の像があるのはなぜ?」を調べます。

 海南市と紀美野町を結ぶ国道370号を走ると、交差点を見つめる木造の熊が。見上げるほどに大きく、迫力のあるたたずまいが印象的です。でも一体なぜ…?

 


 

 

木材会社先代が酔っ払って購入

 「海南の国道370号沿いに大きな熊の像があるのはなぜ?」。熊が立つ海南市阪井の木材会社、井上の井上基社長に聞くと、「先代が酔っ払った勢いで購入しました。しばらく社内に置いていましたが、皆が見られるようにと、20年ほど前から飾っています」とのこと。

 カナダ産の木材を扱う同社。30年前、先代の故井上文雄社長がカナダへ買い付けに行った際、酒の席で意気投合した東京の木材会社社長と共に、つがいになった熊の像を競り落としました。高さ約3㍍、重さ約3㌧の一刀彫りで、オスは東京、メスは海南市へ来ました。「『くまさん信号』と親しまれ、阪井バイパスができるまでは、近くの巽小学校が遠足時、観光バスの目印に使っていました。ポケモンGOのスポットにもなっていました」と井上社長。

 5年前に倒れて立て直しましたが、今はさらに老朽化が進んだため、上半身だけを亀池公園駐車場そばの本社へ移設しようと検討中だそうです。

(ニュース和歌山/2021年8月28日更新)