怖さ:0
里の妖怪
出没地域:紀美野町

 昔、長谷毛原村(現在の紀美野町東端)にメウガという力持ちの男がいた。ある日、村に高野山から、「金堂を建てるから、百人の人手を貸せ」と言ってきた。しかし、人の少ない村のこと、百人出したらカラッポになる。村人たちが難儀していると、メウガが「わし一人で百人分の仕事をするわい」と名乗り出た。実にメウガは自慢の怪力で次々に仕事をこなし、高野山の僧侶たちを驚かせた。その分、食欲も旺盛で、出された膳百人前を食べた。やがて金堂が完成し、帰ることに。僧侶から「土産は何がよいか」と尋ねられたメウガは、「百人分の味噌をくれ」と答えた。メウガは村へ帰ると、人々に味噌を分け与えたという。

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(ニュース和歌山/2021年9月25日更新)