2014年、海南市のPRのため地元有志によって誕生したご当地ヒーロー、熊野來神エーワッショー。当時はイベントのショーを中心に出演していましたが、コロナ禍の影響で活動が縮小。そんな中、19年に同市へUターンした前芝和子さんが「こんなにかっこいいヒーローがお蔵入り寸前なんて。地元の盛り上げと共に、活躍の場を広げさせたい」とオリジナルの特撮ドラマを手掛け、ユーチューブで配信しています。
地元×特撮
──エーワッショーについて教えてください。
前芝 名前は、和歌山弁で「いいね」と言う意味の「ええわっしょう」が由来です。スーツの青は海、胸には同市発祥とされる鈴木家の家紋、左肩は熊野神の使いである八咫烏を模していて、ベルトには家庭用品の生産量が日本でトップクラスということから、「シルバーのタワシ」を付けています。熊野神の聖なる力を授かって、悪の化身「ダル」と戦う物語です。
エーワ 私は海南市の平和を守るために誕生しました。人の心を操り、悪事を働こうと企む敵に立ち向かいます。
──活動縮小を経て、本格復活です。
エーワ 当初は主にイベントに出演していましたが、コロナ禍に入り、思うように活動できなくなりました。
前芝 なんとかエーワッショーを使って市の魅力を発信できないか考え、ユーチューブを活用することに。特撮ドラマを作り、撮影で施設を使ったり、名産品を紹介したりしています。出演は且来のすわん江戸村の役者を中心に、ロケで協力してくださる企業や施設の関係者です。スタッフが少ないため、本業である介護士の仕事をしながら、脚本、撮影、編集のほか、雑務までこなしています。大変ですが、活動を通して子どもたちに、地元の産業や歴史に興味を持ってもらいたいという思いでがんばっています。
新たな力を
──これまでどんなところで撮影を?
前芝 主人公、鈴木古道がエーワッショーに変身する力を授かるのが藤白神社、相棒の雪蔵に呼び出されるのが、道の駅サクアスと、歴史的な場所から新スポットまで網羅しています。
エーワ 新作の第4話は、地元の企業で5本指ソックスの老舗ブランド、ニッティドで撮影しました。
──まさにメイド・イン・海南ですね。視聴者の反響は?
前芝 「知っているところが物語の舞台になっていておもしろい」「演者のお芝居が上手い」「次はどこで撮影するの?」と、みなさん興味を持ってくださっていて、とても励みになります。
──今後は?
前芝 海南だけでなく、他の市町でも撮影したい。ユーチューブは世界に発信できるので、地元はもちろん、県全体を「エーワッショーで見た」と言ってもらえるようにしたいです。
エーワ 以前の活動のように、イベントにもどんどん出演したい。6月1日㊐に黒江で開かれるめった祭りでショーを披露するので、子どもたちとふれあいたいですね。
前芝 それと、スーツを新調するために現在クラウドファンディングに挑戦中です。10年以上同じものを使っているので、あちこち傷んで破れています。これを機に新しい姿に生まれ変わります。
エーワ ヒーローといえば、パワーアップが醍醐味。新たな力を手に入れ、ダルと戦い続けます!
5月23日㊎までクラウドファンディングを実施。詳しくは「モーションギャラリー エーワッショー」で検索。またサポートスタッフも募集中。詳細はインスタグラム「eewassho」へ。
(ニュース和歌山/2025年5月10日更新)