《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 鼠径ヘルニア(脱腸)とは、足の付け根(鼠径部)のお腹の筋膜が薄くなり、袋状にふくらむ病気です。病状が進むと、その部分に腸などの臓器が入り込み、違和感を感じるようになります。放っておくと、だんだん大きくなり、痛みがでることもあります。

 鼠径ヘルニアは原則として、診断を受ければ手術が必要です。以前は入院加療が一般的でしたが、最近は全身麻酔による日帰り手術を行う医療機関も増えています。手術は、袋の中の腸などを元の場所に戻し、筋膜が薄くなった部分を、体に無害な網状のシートで補強します。術前には、血圧、酸素濃度を測り、麻酔薬の投与を受け、眠った状態になれば手術が始まります。手術は1時間程度で終了し、直後から歩行が可能です。麻酔から十分に覚め、強い痛みや気分不良などがないことを確認してから、医師の説明を受け、帰宅となります。術後の痛みには飲み薬や坐薬を使用します。強力な痛み止めを用いることはありません。

 術後2~3日ほど療養し、仕事復帰する方が多くおられます。デスクワーク程度なら、翌日から始める人もいます。

 脱腸かなと思ったら早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。

(ニュース和歌山/2026年5月17日更新)