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 脳出血による言語障害から復活を果たした和歌山市のジャズシンガー、さつきさん(写真)が2枚目のアルバム『Courage(カレッジ)』を1月21日(木)に発売。これに合わせ、1月、2月には国内6ヵ所を回るアルバムリリース記念ツアーを実施する。さつきさんは「Courageは〝勇気〟の意味。ジャズに勇気をもらっている私の歌から、皆さんに勇気を持ってもらえたら」。よみがえった歌声に思いを込める。

 東京でプロのジャズシンガーとしてステージに立っていたさつきさん。2008年に脳出血で救急搬送され、手術は成功したものの、右手と右足にマヒが残った。さらに言語障害から歌うどころか、歌詞を読むことさえできなかったが、苦しいリハビリを乗り越え、再びマイクを握れるように。13年11月にはアルバム『ワン・アンド・オンリー 唯一無二』を発売した。「アルバムを聴いた皆さんからは、『障害があっても何でもやれるんだと教わりました』『本当にありがとう』との言葉をいただきました」と笑顔を見せる。

 2年2ヵ月ぶりとなる今回のアルバムは、ピアノの進藤陽悟さん、ベースの吉木稔さんらプロミュージシャン4人の演奏に合わせてレコーディングした。『テンダリー』『サムワン・ツー・ウォッチ・オーバー・ミー』などジャズのスタンダードのほか、ジャズにアレンジした『荒城の月』、今井美樹さんが歌った『ブギウギ・ローンサム・ハイヒール』などお気に入りの11曲を収録した。

 2曲目の『アット・ファースト・サイト』は進藤さん作曲のメロディーに合わせ、さつきさんが自作の詩を朗読する。「私は体は不自由だけど心は自由。生きていることは素晴らしいこと」。やさしく、強いメッセージが聴く人の心を包み込む。

 アルバムリリースツアーでは東京、大阪、名古屋など6ヵ所を回る。3ヵ所目が2月7日(日)の和歌山県民文化会館小ホールで、レコーディングに参加した4人がバックを支える。また、日進中学校吹奏楽部とのコラボで『この素晴らしき世界』を披露する。

 アルバムは3000円。希望者は「奇跡のジャズシンガーさつき」フェイスブックからメッセージを送る。県文でのライブは午後5時半からで、3500円、18歳までは2000円。県文、セブンチケットほかで販売。県文(073・436・1331)。➡このライブに抽選でペア2組を招待。1月13日必着。詳細はニュース和歌山1月9日号紙面をご覧下さい。

(ニュース和歌山2016年1月9日号掲載)