射箭頭八幡神社から発信

 和歌山市本脇の射箭頭(いやと)八幡神社は、和歌山産のじゃばらを使った「邪祓酒」の販売を2月末に始めた。神社から和歌山の物産を発信する試みで、同神社は「神社が個性を出し、地域の元気につながれば」と望んでいる。

 北山村の特産品として知られる柑橘類のじゃばら。様々な加工品がある中、きのくに地域活性化協議会代表の志賀弘明さんは一昨年、内閣府の知人から市販のじゃばら酒について、「味はいいので、楽しんで飲める雰囲気があると、人気が出るのでは」とアドバイスを受けた。

 かねてから同協議会で県内の神社の活性化を目指してきた志賀さん。じゃばらは「邪を祓う」との語呂合わせで縁起物にされ、神社からの発信に合うと考え、ステッカーやテーマソング制作とユニークな取り組みを行ってきた射箭頭八幡神社での販売を思い立った。同市の企画会社アイズテクノハウスが製品を企画、世界一統に依頼し、1年かけて「邪祓酒」(500㍉)と「邪祓果汁」(150㍉)を生み出した。

 みなべ産のじゃばらを使い、通常のじゃばら酒が果汁10%程度のところ20%と濃厚にしつつ、さわやかな甘みを醸した。協力した同協議会の加勢田城豪(きごう)さんは「居酒屋を営む知人からは『なかなかない味だけど、どこか懐かしい』と好評でした」。ラベルのキャラクターは障害者就労支援事業所のスタッフが描いた巫女で、現在、これに合わせたアニメの制作も進める。

 志賀さんは「炭酸水で割ると、さわやかに飲めます。県外でじゃばらは知られておらず、物産のブランド化につながる。他の神社でもこういった取り組みが広がってほしい」と力を込める。

 邪祓酒は2500円、果汁850円。同市鷹匠町のわいんでぐちで販売。同神社(073・451・7405)。

写真=巫女のキャラクターでじゃばらを発信

(ニュース和歌山/2018年3月17日更新)