製造過程や歴史紹介

 創業550年の歴史を誇る老舗和菓子店、総本家駿河屋の本社新工場が5月9日、和歌山市小倉に完成した。12日には併設する喫茶スペースがオープン。岡本良太社長は「和菓子は人を笑顔にします。新工場で新たな菓子を生み出し、笑顔を増やしていきます」と決意を新たにした。

 新工場はこれまで使っていた工場の敷地に新設。練りようかんや本ノ字饅頭(まんじゅう)、和歌浦せんべいなど主力商品の生産を担う。菓子の鮮度を落とさずに急速冷凍できるプロトン凍結機、虫の侵入を防ぐため室内の気圧を高く保つ設備を新たに導入した。

 工場内に見学コースを設け、和歌浦せんべいに模様を焼き付ける様子などが見られる。社の歴史や菓子の特徴を紹介するパネルの作成には、博物館学芸員を目指す和歌山大学生が協力した。江戸時代に使われた道具も並び、観光学部4年の蓬莱夏野(なつの)さんは「詳しく知ることで、菓子や駿河屋、和歌山に愛着をもってもらいたい」と望む。見学無料で、「製造が行われる午前中がオススメ」と同社。

 喫茶スペースでは、完成に合わせて誕生した新商品を販売。ベリー、キャラメル、ゆずチョコのようかん、バニラ、ママレードなどのブッセ、工場併設店限定で、バウムクーヘン生地にこしあん、抹茶あんをあしらった板バームなどを味わえる。和菓子の販売も行う。

 午前9時~午後6時。同店(073・488・1187)。

写真=見学コースから製造の様子が見られる

(ニュース和歌山/2018年5月19日更新)