熊野牛に続く和歌山の新たな黒毛和牛「紀州和華牛」の普及を目指し、畜産農家と卸売業者、飲食店が4月1日、紀州和華牛協議会を結成した。副会長で和歌山市和佐関戸の卸売業、ミートファクトリーの北川美智也社長は「他のブランド和牛にはない、しもふりをあえて抑える斬新な発想で生まれた。健康志向が高まる中、付加価値をアピールして広めたい」と力を込める。

普及目指し協議会発足

 県畜産試験場が2015年に開発を始め、今年2月に売り出した紀州和華牛。みかんジュースとしょうゆの搾りかすを配合したエサで育ち、ロースの脂肪量は通常の和牛より約1割少なく、ビタミンEは1・7倍多く含む。県内の飲食店や小売店など7店が取り扱っており、「しつこさがなく、いくつでも食べられる」「やわらかく、肉本来の味が楽しめる」と好評だ。

 協議会は肉の品質管理や審査・認定のほか、和牛農家や飲食店、ホテルに呼びかけ、生産と流通拡大に取り組む。北川社長は「『紀州和華牛を食べに和歌山へ行く』と言われるぐらい全国で定着させ、和歌山に人を呼び込むきっかけとなるブランド和牛に育てられれば」と話している。

写真=紀州和華牛の食べ比べセットを出す店も

(ニュース和歌山/2019年5月4日更新)