新型コロナウイルスの影響を受け、輸血用血液が不足している。2月13日に和歌山県内で感染者が発表されて以降、外出自体を控える人が増えたほか、移動献血車が行く予定だったイベントの中止や企業からの受け入れ辞退が相次いだ。和歌山県赤十字血液センターは「全国的に血液が不足し、一時は災害時より緊迫していた。この状態で大規模な災害が起これば、血液の病気で定期的に輸血が必要な人や、事故や病気で手術する人の命にかかわる」と警鐘を鳴らす。

 そんな中、同センターは3月6日、JR和歌山駅東口に献血車を急きょ出した。近くの会社員、石原智弘さんは「社内で時間を調整し、順番に足を運んでいます」。18歳の息子を連れて来た坂本八永美さんは「昨年夏に家族が入院した時、輸血してもらった恩返しに来ました。息子の有り余るエネルギーを有効に使ってもらいたい」。

 県内では毎日、400㍉の赤血球100人分、血しょう板40人分が必要。血液不足を知った人の協力が増え、7、8日で在庫は回復したが、A型とO型の不安定な状態は続く。同センターは「保存期間の短い血液製剤を安定的に患者さんへ届けるため、継続的な協力を」と呼びかけている。

 献血協力者が集中しないよう、同センターHPからの予約を促している。また、会場では手の消毒と体温測定が必要。

(ニュース和歌山/2020年3月14日更新)