1.17.3在宅医療

 訪問看護や往診など自宅で安心して療養生活が送れる仕組みを知ってもらおうと、市民フォーラム「『終活』~終(つい)の棲み処(すみか)をどこにする?」が1月24日(土)午後2時、JR和歌山駅前のJAビル11階で開かれる。高まる在宅医療の需要を受け、県訪問看護ステーション連絡協議会和歌山市管理者会が初めて企画した。同会の福本津弓(つゆみ)さんは「『最期は家で』と本人や家族が望む一方、家庭の介護力に不安を感じる人が多い。支援が充実してきた近年の状況を知ってもらい、人生の最後の場を考える機会にしてほしい」と呼びかけている。

 日本は2050年に人口の36%が65歳以上になると予想されている。国は入院期間を短くし、自宅での療養を推進しているが、現状は65歳以上の世帯は独居や夫婦のみが半数以上にのぼり、当事者や家族の不安が大きくなっている。

 一方、自宅での療養生活を支援する県内の訪問看護ステーションはここ20年で22ヵ所から105ヵ所、和歌山市内で6ヵ所から36ヵ所に急増した。特殊な機械を要する治療以外は病院とほとんど同じケアを受けることができるが、「支援を知らないまま本人が家族に遠慮して施設に入ったり、家族が『世話できない』と考えたりするケースが多い」と福本さん。在宅医療について理解を深めてもらおうとフォーラムを考えた。

 当日は、まつい訪問看護ステーション管理者の松井由美子さんが訪問看護、中谷病院の末本浩基医師が往診医について講演。実際に自宅で看取った家族の体験談もある。麦の郷訪問看護ステーションの島久美子さんは「核家族化だけでなく、晩婚化で働く独身が増え、家族が世話をするのが難しくなる要因は多様化している。急病や転倒による骨折など、いざ直面するとすぐ選択に迫られる。事前に知っておいてもらえれば」と話している。

 無料。希望者は直接会場へ。同会(073・435・0703)。

写真=フォーラムに向けて打ち合わせするスタッフ

(ニュース和歌山2015年1月17日号掲載)