和歌山市の服飾デザイナー、中井翔己さん(33)が2月28日(土)~3月8日(日)、同市元博労町のおのまちあるふぁで個展を開く。2年前まで関東で活動し、地元では初めての作品展。「親しみやすいというより、身につけるのに勇気のいる服が多いかもしれませんが、着ることで背筋が伸び、気分が変わる。作品がそんなきっかけになれば」と思いを込める。
幼いころから工作などものづくりが好きだった中井さんは高校卒業後、大阪と東京の服飾専門学校へ。その後、関東でいくつかのアトリエに勤めながらデザイン力を磨き、2年前に和歌山へ戻った。
個展は昨年5月、東京で開いたが、地元では初めて。「生まれ育った街に『こんにちは』とあいさつするような自己紹介的な展示会です」と笑う。会場ではシャツやワンピースを中心に女性物約10点を紹介。作品の1つのワンピースはすそを一部ねじってポイントとした。「ひねることで、布に流れを表現しました」。肩から腰に掛けて流れが出るよう意識したシャツなども出品する。
中井さんは製作にあたり、デザイン画を描かない。頭の中にイメージを焼き付け、生地を手に取りながらイメージを立体的に具体化していく。「頭の中でもすごく抽象的。細かいところはぼやけていて、布を動かして〝見つける〟ような感じ」。さらに「水や光のような形の定まらないものが好きで、いつも流動的なイメージが頭の中にある。会場のおのまちあるふぁの窓から見える内川の流れも好きですね」と笑顔を見せる。
正午~午後6時。会期中の金土日は中井さんが在廊。3月4日(水)は休み。なお、大阪で活動する靴職人、渡邉竜太さん(28)の個展も同時開催で、「Nudyな旅を見つける『服』と『靴』」と題して若手作家2人の作品が並ぶ。同店(073・498・8156)。
写真=作品を手にする中井さん
(ニュース和歌山2015年2月28日号掲載)