県立医大の医師と看護師ががん患者支援につなげようと、無料通話アプリ「LINE」で利用できるスタンプ(メッセージを添えたイラスト)を創作した。スタンプの利用料の半分は「市民のためのがんペプチドワクチンの会」の運営費に充てられる。患者の心情を反映させたスタンプは珍しく、看護師は「病気への不安や悩み、感謝の気持ちなどを身近な人に伝えることが難しいと聞きます。気軽に伝えられる手段になれば」と期待する。
県立医大は2013年9月から「市民のための~」の支援を受け、すい臓がんと食道がんで標準療法(手術、抗がん剤、放射線治療)で治療できなかった患者を対象に、患者の免疫力を使ったワクチン療法の臨床研究を行う。これまですい臓がん25人、食道がん23人を受け入れ、症状が改善した人もいる。
スタンプは、患者の気持ちをメーンキャラクターのパンダに託し、キャラクターが喜怒哀楽を言葉と表情やポーズで表現。「心配かけてごめんネ」「負けないぞ」など40種類ある。勝田将裕医師は「力になりたいという周囲の思いを盛り込み、患者以外の人も使いやすい。患者の心の負担軽減に役立てたい」と語る。
スタンプ名は「患者の気持ち2」。100円(アプリ内50コイン)。
(ニュース和歌山2015年4月4日号掲載)