壁紙や床の張り替えなど自分の手で内装を一新する日曜大工、DIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)。その楽しさを広めようと、和歌山大学生でつくるリプランタンが、和歌山市松江にある築40年の賃貸アパートを、自由にDIYができる物件としてプロデュースしている。赤塚直人代表は「古い建物でも、自分たちの手で素敵な空間に再生できる面白さを知ってほしい」と呼びかけている。
リプランタンは同市主催のリノベーションスクールに参加した和大生4人が昨年4月に結成した。美容院や大学研究室の壁紙を張り替えたほか、DIYの体験講座を開催。昨年夏には田辺市の扇ヶ浜にある海の家をスペイン風に改装し、若者に向けてDIYの魅力を発信する。
プロデュースするアパートは築40年の鉄筋コンクリート4階建て。築年数がたっても、DIYが自由にできる賃貸として付加価値を付け、入居者を増やそうと管理会社の浅井建設と企画した。部屋の構造は変えられないが、床と壁にクロスやタイルを張り、固定家具の取り付けなどができる。入居希望者には、DIYの手法を伝授する。
既に2室を手掛け、1室をDIY好きの入居者が集まる拠点に、1室はメンバーの1人が入居。壁にしっくいを塗り、床にアンティーク調の床材を張り付け、台所に手作りのカウンターを設置した。観光学部3年の和田真奈美さんは「新しい物件より賃料が比較的安く、好きにデザインできる。自分で作ったぶん愛着がわきます」と笑う。
退去時には原状回復する必要はない。同社の浅井孝浩専務は「空室のままより、DIY好きな人で満室になってくれたほうがよい。老朽化の物件が増える中、学生のアイデアで古い建物の価値を見直す人が増えてほしい」と望んでいる。
詳細はReprintempsフェイスブック。浅井建設(073・457・1700)。
写真=リノベーションの魅力を伝える
(ニュース和歌山2015年4月4日号掲載)