次世代を担う芸術家を育成しようと、和歌山県などは小中学生を対象とした「県ジュニア美術展覧会(ジュニア県展)」を今年初めて実施する。県文化国際課は「入選作品は県立近代美術館に展示されます。記念すべき第1回、力作をお待ちしています」と呼びかけている。

 今年が69回目となる県美術展覧会(県展)は高校生以上が対象。応募はここ数年、約500点で推移する。昨年は482点のうち、高校生や大学生ら学生が16点だった。初開催のジュニア県展は、子どもたちの美術力向上を応援すると共に、近い将来、県展への若い世代の応募が増えるようにと企画した。

 絵画、書、立体の3部門で、いずれもテーマは自由。審査は10月17日、10月18日に県民文化会館で実施し、入選以上は12月2日〜12月6日に和歌山市吹上の近代美術館で展示するほか、入賞作品のみ県内3ヵ所で紹介する。

 美術教育が専門で、絵画と立体の審査員を務める和歌山大学教育学部の丁子(ちょうじ)かおる准教授は「うれしかったこと、楽しかったこと、心に残ったことなど、思いを感じられる作品を見たい」。また、子どものころから美術館に親しむきっかけになると期待しており、「近代美術館は地元の美術家の作品や和歌山を描いた作品も多い。足を運ぶ機会をつくることで、地域の作家に誇りを持つ機会にもなれば」と話している。

 個人での搬入場所と日程は次の通り(本紙配布地域のみ)。那賀振興局=9月12日▽県文=10月10日、10月11日。なお、絵画(四ツ切り以内画用紙)と書は学校経由でも応募できる。詳細は県文化国際課(073・441・2050)。

(ニュース和歌山2015年7月25日号掲載)