障害や難病で一般企業への就職が難しい2016111903_create人たちが働く事業所クリエイターズ(和歌山市寄合町)が、デザインの力で働く喜びやものづくりの楽しさを生み出す場になっている。利用者が特技を生かし、県産土産品を開発。現在はオリジナルキャラクターを描いた来年のカレンダーを販売、30日まで年賀状のデザイン・印刷も受け付けている。

 昨年9月に開所したクリエイターズでは、身体・知的障害者や難病患者、うつ病経験者ら12人が働く。チラシやホームページの制作を請け負うほか、今春、紀州てまりをモチーフにした手作りの土産品を開発した。

 カレンダーはA3サイズで、てまりを片手に大きな筆を背負う美少女のキャラクターが上半分に描かれている。考案した男性(22)はイラストの専門学校を卒業後、就職活動中にうつ病を発症。今年9月末に同所で働き始めた。「仕事をもらって描くことに働く実感があります」と笑顔を見せる。

 一方、年賀状は硬派な絵からポップなタッチのデザインまで21種類。デザインした子安留意さん(32)は医療関係の仕事に就いていた際、うつ病にかかり、趣味の絵を生かそうと8月から働く。「パソコンでのイラスト制作を指導してもらい、勉強になっています。自分の作品を評価してもらえると、必要とされていると強く思える」と語る。

 指導員の森智宏さんは「彼らのしたいことができるように業務の幅を広げたい。和歌山に人が集まるデザインをクリエイトし、地域貢献を」と話している。

 クリエイターズ(073・425・6331)。

(ニュース和歌山2016年11月19日号掲載)