20170101_14

    和歌山三幸川柳会・各自選

三が日過ぎて普段の顔になる   三宅 保州

川柳の卵も孵る酉の年      古久保和子

鶯の美声に合わせ鳴く傘寿    礒部 義雄

   笹舟俳句会・笹尾茂葉選

山姥の凄み利かせて謡初     井原 久美

神鶏の真白き四五羽淑気満つ   大嶋 四郎

海原の銀のさざなみ大旦     山田乃生子

   芙蓉句会・上野みのり選

初凪の浦輝けり紀三井寺     伊都 貞子

鯛電車ゴトガタゴトと恵方道   岡  栄子

年毎につつましくなり注連飾   柳内 路子

   つどいの家わかば俳句会・各自選

書き入れし日々変りつつ初暦   湯川美代子

幼な児は未来の宝初笑ひ     中井 富子

初明りほのと卆寿の坂のぼる   井上千代子

   貴志川老人クラブ「蝗」・互選

初夢を言ひ惜しむ間に忘れけり  宇恵 孝子

元朝や其の場限りに数へ年    前   廣

朝まだき気も改まる今日の春   岡本 栄司

   和歌山ホトトギス俳句会・各自選

願ひごと一つにしぼり初詣    辰田 卓世

恵まれし事を感謝の初日かな   垂水 領子

寒餅の五色のあられ母の味    川﨑 鈴子

   和歌山俳句会「千心」・笠野千居選

お年玉こぼるる笑顔返さるる   岡本せつ子

一斉にシャッターチャンス初日の出 鳥居 好子

初暦今年始まる重みかな     橋本 栄夫

   紀の芽俳句会・塚月凡太選

ぬばたまの闇に鐘の音去年今年  谷口 明美

亡き父のこだはりの銘年酒酌む  東﨑 桂子

成人の孫を交へて屠蘇祝ふ    丸山富紀子

   狩和歌山俳句会・桑島啓司選

鉄工の詰所に小さき鏡餅     飯沼 孝男

初夢に召集令状来たと夫     上中 光

乗初やぴつかぴつかの三輪車   武友 朋子

   狩河西句会・須田光成選

夫の帽目印に蹤く初詣      太田 妙子

負ひしことある子に曳かれ恵方道 加藤かずえ

数へ日や指折り待てる子の来る日 笹井 義子

   天美苑俳句会・綾ひろ子選

猫抱いて幸せ願ふ初御空     田村 艶子

百彩に家風の味の節料理     田伏美代子

山の影水面に映える初景色    成田 周代

   つゆくさ句会・上野みのり選

己が道進めと叫ぶ初御空     杉本 京子

葉牡丹の皺の深きに心揺れ    宮本 員代

玩具屋の売り子着ぐるみ初商   山下多喜子

   ぎんなん俳句会・福本まり子選

知る人の減りし故郷初詣     宮西  勇

後継ぎを抱きて祖父は屠蘇を酌む 伊藤美年子

年迎ふ一歳の子にタッチされ   吉間須磨子

 海南市住民センター俳句講座・塚月凡太選

初笑ひ七十億の声清か      平岩 玄機

元日の国旗はためく官庁街    河野登喜子

書初の墨痕あざやかなりし喜寿  竹嶋 東海

     萌木俳句会・上中光選

日本語に慣れし神父と御慶かな  井谷 靜男

初晴れの煌きみつる波頭     武田 弘子

仔犬にも賀状届きて平和かな  勅使河原賀子

   わかば俳句会・宮本啓子選

除夜の鐘一打一打に鶏来たる   野上トヨ子

客の間の掛軸変へて年用意    湯川 年子

お年玉渡す子の背のまた伸びて  田中 東杏

 (ニュース和歌山2017年1月1日号掲載)