2021年も残り1週間を切りました。昨年から新型コロナウイルスの不安が続く中、県内は東京五輪での四十住さくら選手金メダルや智辯和歌山の甲子園優勝、全国規模の文化イベントと、スポーツや芸術で彩られました。この1年を振り返ります。

 

スケボー四十住選手㊎

 新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京オリンピック。8月4日、今大会から採用されたスケートボード・女子パークで、岩出市の四十住さくら選手が金メダルを獲得した。初代女王になった活躍を受け、県は12月2日、県スポーツ賞のうち、最高ランクの「スポーツ栄誉賞」を贈った。

写真=金メダルを手に笑顔を見せる

 

水管橋崩落で大規模断水

 和歌山市の紀の川以北エリアに水を送る全長546㍍の六十谷水管橋が10月3日に崩落。同市の4割近い約6万戸が断水し、約14万人の生活に影響を及ぼした。同市はクレーン設置工事を12月16日から進めており、来年1月中に崩落部分を撤去した上で、6月15日までの復旧完了を目指している。

写真=中央部分が崩落した水管橋

 

和歌山城ホール開館

 和歌山市の新市民会館「和歌山城ホール」が10月29日、和歌山市役所東側にオープンした。954席の大ホール、395席の小ホールを備え、吹き抜けのエントランスホールは紀州材を使用し、屋上には庭園を設置した。なお、42年にわたり文化の拠点として親しまれてきた旧市民会館は9月30日にその幕を下ろした。

写真=城が見えるよう建物南側はガラスに

 

文化の祭典 相次ぎ

 夏と秋に大きな文化イベントが県内各地で行われた。7月31日から1週間開かれたのは「高校文化部のインターハイ」と呼ばれる「紀の国わかやま総文」。10月30日から23日間行われた「紀の国わかやま文化祭」では演劇や音楽の舞台発表、アート作品の展示などに加え、県の様々な文化遺産や伝承文化が発信された。

写真=総文の総合開会式

 

智辯和歌山が夏制覇

 夏の全国高校野球選手権大会で、智辯和歌山高校が21年ぶり3度目の優勝を飾った。初戦となった3回戦から一度もリードを許すことなく勝ち進み、迎えた決勝は奈良代表、智辯学園との兄弟校対決となった。1回表に4点を先制し、そのまま9対2で逃げ切り、深紅の大優勝旗を手にした。

写真=仁坂吉伸知事に優勝を報告

 

コロナワクチン接種開始

 新型コロナウイルスに対抗するワクチンの接種が4月に始まった。医療従事者、65歳以上、それ以外の一般向けと、段階的に進められ、12月19日時点で県人口の75%が1回目、73%が2回目の接種を終えた。新規感染者は8月24日の90人をピークに減り、12月21日現在、20日間連続でゼロとなっている。

写真=ワクチン効果か、感染者は減少

 

まちなかに新たな学び舎

 和歌山城の北側、伏虎中学校跡地に4月、県立医科大学薬学部が開校した。6年制で、1期生100人が入学。近畿の公立大学では初の薬学部で、和医大は医療系総合大学として本格的にスタートを切った。同じく4月、旧和歌山市民図書館跡に和歌山リハビリテーション専門職大学が開学した。

写真=大学周辺の活性化にも期待

 

猫いっぱいの新車両

 わかやま電鐵貴志川線の新車両「たま電車ミュージアム号」が12月4日、運行を始めた。苦しい経営状況の中、2年前から進める〝キシカイセイプロジェクト〟の一環。たま駅長やニタマらのイラスト、オブジェなどを777ヵ所にあしらった。改装費用には全国から寄せられた1900万円近い寄付を活用した。

写真=〝黒〟字化の願いを込め、外観を漆黒に

(ニュース和歌山/2021年12/25日更新)