和歌山県外企業にサテライトオフィスを構えてもらおうと、貸し事務所を開設する事業者への支援を進める和歌山市。補助を受けた第1号オフィスが1日、同市湊紺屋町にオープンした。市産業政策課は「移住・定住を促進するだけでなく、新しい会社が来ることで、地元に新たな雇用を生み出せる」と期待する。

 新型コロナウイルス禍で都市部を中心にテレワーク化が進み、観光地やリゾート地で仕事をするワーケーションが注目を集める。そんな中、同市は関西国際空港から近く、温暖で自然が多い立地を生かして移住・定住者を増やすため、昨年4月、県外企業向けオフィスを整備する事業者への補助を始めた。入居する会社への奨励金制度も合わせ、誘致活動に力を入れる。

植物を取り入れたキノワの共用スペース

 

 市の補助を受け、アズマハウス(同市黒田)は南海和歌山市駅近くの第2冨士ホテル2階を改修し、「サテライトオフィスキノワ」を開設した。約50畳と40畳の2部屋と、宿泊客も利用できる共用のコワーキングスペース、オンライン会議用の個室などを設けた。

 1日に入居募集を始め、すでに東京のIT企業2社から内覧の申し出を受けている。同社賃貸部の久保良平部長は「提携する白浜町のサテライトオフィスと相互利用可能なので、ワーケーションを満喫できる施設」と自信を見せる。

 同じく市の補助を受けたオフィスが、中之島と新和歌浦で整備中で、夏ごろまでに受け付けを始める計画。同課は「中心市街地と風光明美な地域。それぞれの良さを見て選んでもらえたら」と話している。

(ニュース和歌山/2022年4月16日更新)