全編県内で撮影された映画『スレッズ・オブ・ブルー』公開に合わせ9月25日、宗野(そうの)賢一監督が来和。リモート参加した主人公エン役の佐藤玲さんと共に、インタビューに応じた。宗野監督は「新しさとレトロさの入り交じった和歌山の街並みは、今回の映画にぴったりでした」と印象を語った。

 テレビドラマ『科捜研の女』や『刑事7人』などを手掛けた宗野監督のオリジナル長編3作目。

 交通事故で家族を失う夢を見たエンは、家族旅行を中止にしたいと父親に話すが聞き入れてもらえない。そんな中、同じマンションの女性から、その事故はすでに起こっていると告げられる。いったいどういうことなのか──。人の記憶をテーマにしたサイコスリラーで、ジャンルがめまぐるしく変わるような、展開が読めない構成だ。

 監督は「和歌山市島崎町のじゃんじゃん横丁をひと目見て、『ここは日本なのか。古いのか新しいのか』と感じ、その不思議な雰囲気が『自分の記憶が入り乱れる』という作品の特徴とマッチしていた」と強調。一方、佐藤さんは「私はアパートの一室でのロケがほとんどでしたが、白崎海岸のシーンで、あまりに景色がきれいで、思わず写真をたくさん撮りました。海鮮やラーメンなど、いろんな楽しみもありました」と振り返った。

 映画は2年前の夏、ぶらくり丁やパームシティなど県内で2週間掛けて撮影した。監督は「和歌山の人は優しくて協力的。ゆっくり旅行で来たい」とほほえんでいた。

 10月12日㊍までジストシネマ和歌山で公開。

写真=宗野監督。主演の佐藤玲さんはリモートで参加

(ニュース和歌山/2023年9月30日更新)