大正浪漫テーマに展示会 コンサートや講演、映画など

 美人画で知られる画家で詩人の竹久夢二生誕140年と、紀州徳川家第16代当主、徳川頼貞が西洋の楽譜などを収蔵する南葵音楽図書館の開館100年を記念した「大正浪漫展」が3月1日㊏から3日間、和歌山城ホール1階で開かれる。展示や講演、コンサートを予定しており、主催のソプラノ歌手、瑞樹比美香さんは「会場は蓄音機や古いおもちゃなどレトロな物が並びます。タイムスリップしたつもりで楽しんでもらえたら」と笑顔で話している。

           主催する瑞樹比美香さん

 瑞樹さんは2023年、作曲家の小内將人さんから、夢二の童話『クリスマスの贈り物』を元に作った新作オペラをプレゼントされた。童話について調べると、今年が原作完成からちょうど100年と判明。これを機に夢二の作品と、彼が活躍したころに和歌山で流行した芸術・文化を知ってもらおうと浪漫展を企画した。

セノオ楽譜『汝が碧き眼を開け』の表紙

 イベントでは、夢二作詞の『宵待草』を始め、明治・大正の童謡や西洋音楽を瑞樹さんが歌うコンサート、宮本静さんによる唱歌や演歌。また、大正期に発行された国内外の名曲・名歌の楽譜をまとめた『セノオ楽譜』を題材に当時の音楽シーンの解説や、写真、絵はがきから和歌山の世情を読み解き、懐かしいおもちゃから時代を探る講演。さらに、阪東妻三郎主演の無声映画『雄呂血(おろち)』上映、南葵音楽文庫のジオラマや、100年間の歴史をまとめたパネル展示など盛りだくさん。

 瑞樹さんは「セノオ楽譜は表紙だけでなく、楽譜部分も見せます。解説が書かれているものもありますので、必見です」と熱を込めている。

 詳しくは(080・6238・4745)。

(ニュース和歌山/2025年2月15日更新)