順位つけず 〝ママチャリ〟もOK

 和歌山市の片男波海水浴場と駐車場を舞台に6月8日㊐、「和歌浦トライアスロンフェスタ」が初開催される。ママチャリでも参加でき、あえて順位を付けない〝お試し〟イベント。同市田野でトライアスロンショップ・ネクストステージを運営する事務局の島本誠さん(51)は「ゴールしたときの達成感をぜひ味わって」と呼びかけている。

敷居低い「入口」

「気軽に参加して」と島本さん㊧、髙橋さん

 トライアスロンは、スイム(水泳)、バイク(自転車)、ラン(長距離走)の3種目を1人が続けて行う耐久競技。1974年にアメリカで誕生し、2000年のシドニーオリンピックで正式種目に採用された。和歌山では14年から「南紀白浜トライアスロン大会」が行われ、全国から選手が集う。

 島本さんは30歳の頃から約10年間、国内外の大会に出場し、実績を重ねてきた。トライアスロンの魅力を「ゴールしたときの達成感に尽きます」と言い切る。結果を出すには地道な努力が欠かせず、「近道はありません。その代わり、努力は裏切らない」と振り返る。

 

 

家族みんなで楽しむ「お祭り」

髙橋さんが運営に携わった大会「ラブトライアスロン」では、子どもも出場(兵庫県淡路市)

 フェスタでこだわったのは、誰もが気軽に参加できる敷居の低い〝入口〟の位置づけ。日ごろそれほど運動していない人でも、小学生でも、家族みんなで楽しめる「お祭り」を目指している。

 競技は9クラスに分け、子どもから経験者まで、年齢や体力に応じて選べるようにした。最長でもスイム750㍍、バイク20㌔、ラン5㌔と、それぞれオリンピックの半分。小学1年〜3年なら、スイム50㍍、バイク3㌔、ラン1㌔と、無理のない距離を設定した。また、前のクラスがゴールした後、次のクラスがスタートする入れ替え制で、親子が互いに応援し合える。さらに、専用のロードバイクがなくても、〝ママチャリ〟参加をOKにし、親しみやすさをプラスした。最大の特徴は、順位をつけないこと。「最後まで頑張ってゴールした人は、みんな勝者です」

 

 

 

 

 

 

 

 

成功体験 積む機会に

 フェスタ前日の7日㊏に行われる初心者向けスイム講習会は、昨年の全日本トライアスロン皆生大会で総合優勝したプロ選手兼コーチの髙橋正俊さん(32)が担当する。泳ぎに自信のない人たちと一緒に海に入り、不安を取り除くのがねらい。泳ぎ方のコツや注意点なども指導する。

 「私はトライアスロンで、自分に負けないことを学びました。皆さんにも何かしら得てほしい」と髙橋さん。島本さんは「海で泳いだことがなければ足をつきながらでも、ランがつらければウォーキングでも大丈夫。『諦めなければ自分にもできた』と成功体験が積めます。とくに子どもならそれが自信となって、勉強や生活が前向きになるはず」と強調。「トライアスロンのお試しの場です。景色のいい片男波で、気軽に楽しく体を動かしてみませんか」と呼びかけている。

 募集は4月15日までだが、先着順。参加費は4000円〜で、クラスにより異なる。申し込みはフェスタホームページ(https://wakauratrifesta.com)から。事務局・島本さん(メールwakauratri@gmail.com)。当日はキッチンカーも来る予定で、家族で一日中にぎやかに遊べる。

(ニュース和歌山/2025年2月8日更新)