ハーネス握り 廊下歩く
視覚障害のある子どもたちにさまざまな経験を積んでもらおうと6月17日、和歌山市府中の県立和歌山盲学校で「盲導犬ふれあい教室」が初めて開かれた。
盲導犬を身近に感じ、その仕事や役割について理解を深めるのがねらい。参加した幼稚部から高等部までの13人は、事前に絵本などで学習して臨んだ。
この日は、大阪府千早赤阪村の日本ライトハウス盲導犬訓練所から、ラブラドールレトリーバーのオス5歳「ウェイド」と、メス7歳「ワック」が来校。赤川芳子所長から「盲導犬のお仕事は、白い杖がすることと似ています。障害物があって通れないときなどは『ここに何かありますよ』と止まって知らせてくれます」と説明を受けた。
二頭に触り、大きさやあたたかさ、感触などを手で確かめた後は、ハーネスを使って歩行を体験=写真上=。障害物に見立てたイスをよけながら歩く盲導犬に導かれ、廊下をゆっくり往復した。また、盲導犬は10歳で引退すること、普段から鳴かない犬を選んでいることなどを教えてもらった。別れの時間になると「帰らないで」と涙を浮かべる児童もいた。
高等部3年の髙嶋香奈さんは「盲導犬は言葉では知っていたけれど、触れたのは初めて。ふさふさしていました。楽しく、いい経験になりました」と笑顔を見せた。
松下香好校長は「盲導犬の耳と自分の耳を比べている子もいました。今後もこのような体験活動をすすめていきたい」と話していた。
(ニュース和歌山/2025年6月28日更新)