黒江に新たなコミュニティスペースが誕生しました。「黒江tettote(てっとて)~旧岩崎邸」と言います。はじめまして! 私が代表を務めるまちづくり会社、楽善舎が中心となって、2年かけて改修を進めてきました。「てっとて」は黒江ことばで「手伝って」を意味します。

 旧岩崎邸は築100年を越える、土壁、瓦ぶきの建物です。長らく空き家で、著しく老朽化していましたが、屋根の一部修繕、柱と壁の補強、内装工事、ライフラインの整備などを経て生まれ変わりました。多目的スペースは会議やギャラリー、教室などができ、また飲食店が出店可能なキッチン機能を備えた部分も貸しスペースとして利用可能になりました。一部はテナントで店子さんが決まり、ネイルサロンやアトリエとして活用されます。

 補修はプロの手も借りましたが、不要部分の解体、壁のペンキ塗りなどは「てっとて」と声をかけて集まった仲間たちと共に行いました。廊下も自分たちの手で紀州青石を敷き詰めて作ったこだわりです。玄関の戸や窓は解体される近隣の建物から譲り受けたものたち。模様が入ったすりガラスは存在感があり、魅力たっぷりです。古き良きものが捨てられることなく新たな場所で再生されました。

 この町で5月29日㊐、3年ぶりに「黒江めった祭り」が開催されます。めだかを通して黒江地区のレトロな町歩きを楽しんでもらうイベントです。3年前の第3回は約4500人でにぎわいました。今年、tettoteも会場の一つとして使用されます。

 当日は路地裏が行き交う人で一段とにぎやかになり、建物内からも笑い声が聞こえてきそうです。新たな出会いや交流が生まれることを願い、楽しいひと時を過ごせるよう、そしてコロナ禍でも安全にイベント運営できるよう準備を進めます。黒江で皆様をお待ちしています!

黒江コンシェルジュ 瀬戸山江理(第2土曜担当)

(ニュース和歌山/2022年5月14日更新)