皆さんと紙面を通じたお付き合いも今回で最終回となります。

 私は来和して7年目を迎える移住者ですが、〝地域活性化〟〝地域おこし協力隊〟〝紀美野町〟〝教育魅力化〟などをキーワードに、微力ながら活動してきました。現場の「実践」を第一に、大学の「知恵」とどう結びつけるかというお役目まで、ありがたくもいただきながら。

 この1年を振り返ると、これらキーワードにかかわる大きなプロジェクトが動き出していることに、不思議な巡り合わせを感じます。

 先月、和歌山市で「わかやま地域おこし協力隊ネットワーク」の設立記念フォーラムがありました。以前、このコラムでも触れましたが、県内で活躍する協力隊や移住者を増やすため、私を含めた卒隊生7人が立ち上げたもので、隊員および行政支援を行う団体です。とどのつまり和歌山を盛り上げたいのです。

 県内から現・卒隊員および県・市町村の行政職員、東京から移住・交流推進機構(JOIN)の面々も駆けつけ、総勢70人以上、大いに盛り上がりました。この熱気を和歌山の活性化や移住促進につなげたい思いです。

 また、移住先の紀美野町では、和歌山大学との連携で、「きみの地域づくり学校」が4月に開校する予定です。地域おこし協力隊や移住希望者らの起業・就業支援と、将来のUターン人材育成を目的にしています。地元高校生や大学生にも門戸を開きます(学生は無料です!)。現場に入ってのインターンや修学旅行も予定しているので、むちゃくちゃ面白いものになること間違いなしです。

 これら以外にも、県内では人材育成や教育面に力点を置く新たな動きが見られます。和歌山の大きな課題の一つは、若者が県外に出てしまうと帰って来ないこと。出る前に(居住組も含め)、和歌山を〝誇り〟に思える教育に力を入れないと。幕末維新期の長岡藩「米百俵の精神」は有名な話ですが、人材育成こそ「未来の和歌山」への投資だと信じます。

 さてさて、1年間ありがとうございました。またどこかでお会いすることがあれば、ぜひ声をかけてくださいね。合い言葉は「『紀流』見てたよ!」でお願いします(笑)。

和歌山大学・地域連携専門職員 増山雄大(第1土曜担当の増山さんは今回が最終回です。)

(ニュース和歌山/2023年3月4日更新)