地方創生時代の和歌山では、暮らしを豊かにする様々なイベントや取り組み、作品づくりが行われています。

 お城近くを流れる市堀川沿いのカフェ「マーケットワカヤマ」は、若者が集う貴重なコミュニティです。2020年から年1回、県立近代美術館で〝ワカヤマコーヒーマーケット〟を主催。県内外からコーヒー店のほか、飲食店や雑貨店が出店します。

 出口甲賀丁の「くくたちショップ+カフェ」は、地元農産品を応援するお店です。生産者とお客さんをつなぐためのお話会、毎月第1日曜には県内の農家や養鶏場などが出店するマルシェを開催しています。

 雑賀崎の漁師宿「新七屋」は、客が漁村の暮らしを体験し、興味を持つことで、次世代に漁業をつなぐきっかけをつくっています。2月には地元の有志を中心に、空き家を活用したイベント〝オープン! 雑賀崎〟を実施。さらに、高齢者の暮らしを支えるため、「うみまち食堂うらら」を4月にオープンします。

 エンターテインメントの分野では、有志で立ち上げた「キシューキシュー映画祭」が13年から加太や和歌山城、印南漁港などで開かれてきました。映画とともにまち歩きを楽しむことを目指しています。

 また、雑賀崎漁港やみその商店街、貴志川町を舞台に撮影された、まつむらしんごさんの監督作品『あつい胸さわぎ』が、1月に全国で公開。さらに、年内公開予定の『ふまじめ通信』は加太でロケが行われました。

 和歌山が拠点の出版レーベル「道音舎」は、和歌浦在住の写真家、松原時夫さんや、約25年間、熊野や高野山を撮影してきた照井壮平さんらの美しい風景を収めた写真集や、新宮に住む版画家、番留京子さんの作品集を手掛けています。

 活動している団体やお店は他にもまだまだありますが、共通するのは「和歌山を盛り上げたい」「地元の良いものを広げたい」との思いです。特に人口減少社会では、コンテンツを生み出す人がとても貴重です。時には失敗もあるかもしれませんが、未来の和歌山をつくるために、ぜひ注目してください。

 動き続ける時代の中で 〝チャレンジ、交流、多様性、チームワーク〟が生まれる和歌山であることを願い、1年の締めとさせていただきます。

WEBメディア「ワカヤマデイズ」運営 武田 健太 (第3土曜担当の武田さんは今回が最終回です)

(ニュース和歌山/2023年3月18日更新)