近ごろ良く耳にするジビエはイノシシやシカなど野生動物の肉のこと。ジビエ料理を出すレストランが増え、11月から和歌山県内の小学校で給食に肉が、工作に皮が使われています。農作物を食い荒らすイノシシやシカを食べ、使うのは、地元の食料を大切に扱うことになります。

給食で初めて

 「イノシシの肉は初めて。硬かったけどウインナーより好き」。11月24日、和歌山市野崎の野崎小学校で給食で初めて出たイノシシ肉ソーセージ入りシチュー(写真)を食べた6年、近藤暖人くんの感想です。同じく6年の森本紗菜さんは「肉が黒いのが気になり、味が濃かったですが、おいしく食べました。かわいいシカなら抵抗があったかも」。

 和歌山で捕れたイノシシとシカの肉を「わかやまジビエ」と呼び、食べる人が増えるよう和歌山県庁の人がPRしています。ウシやブタに比べ、イノシシやシカは鉄分、タンパク質が多く、脂肪が少ないのが特徴です。

 

皮を使い工作

 イノシシやシカの皮を使ったキーホルダー作り(写真)が11月27日、和歌山市六十谷の有功東小学校で行われました。

 最初に、県庁畜産課の近藤早央里さんが「イノシシやシカが農作物を食べ、被害は毎年3億3000万円。また、イノシシを年に1万8000頭も捕まえているのに、料理に使われるのはごく一部」と説明しました。

 6年の福原志歩さんは「紀の川市にいるおばあちゃんが、ミカンやモモを食べられて困ると言ってました」。学校近くでイノシシを見た山口巧馬くんは「目を合わさず、ゆっくり逃げました」と振り返ります。

 キーホルダー作りは、皮も使えることを知ってもらうためです。イノシシは硬く、シカは軟らかい。ハリネズミの形を作った倉田襟菜さんは「動物の皮だから動物にしました」。市川陽斗くんは「次は軟らかいシカでポーチを作る」とほほ笑みました。

 近藤さんは「触ったり食べたりして、イノシシやシカがどんな動物か興味を持って」と願っています。

写真=ジビエを説明

(ニュース和歌山/2017年12月6日更新)