今年は亥年! 年賀状に牙をつけたイノシシが多く描かれていましたね。本物のイノシシの牙はどんな形でしょうか? 頭の骨を調べました。

 牙(犬歯)は上下左右に1本ずつ。まず下が約7㌢と長く、断面は三角形です。前から外側にカーブしています。上の牙(約3㌢)は驚くことに、下の牙に並んでぐいっと上に折れ曲がっています! 上下の牙の面はこすり合い、上の牙が下の牙を削ってナイフのように鋭くします。この鋭い牙は、猟犬などに深い傷を負わせるほどの武器になります。そしてイノシシの牙は、一生伸び続けます。

 牙以外の歯も独特です。下の前歯はシャベルのようで、奥歯の表面はデコボコです。鼻と合わせて土を力強く掘り起こし、植物や小動物などあらゆるものを食べつぶします。動物ごとに歯の形や使い方は様々。興味がある動物の歯を教えてください。

写真=ニホンイノシシ(オス)の頭骨(2010年、紀の川市で狩猟)

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ポケットさん(松本朱実さん)
 動物教材研究所pocket主宰。動物園で飼育員や学芸員として働きました。生き物の見どころや調べ方をアドバイスします。

(ニュース和歌山/2019年1月23日更新)