『紀伊続風土記』に、「大鎌村 里川村の乾一里にあり旧は大釜と書す。此村と里川村小名比曾原との界に鍋釜という渓川の淵あり。釜とは渓川の中に深く瀧壺の如き所をいふ名にて此を取りて村名とす」と記す。
現在のすさみ町大鎌と串本町伊串の境にあり、古くから里川村側では、比曽原の大滝とも呼ばれた。大釜とは滝壺の大きいものをいい、長い年月をかけ、水の浸食で円形に削り取られた部分だ。滝壺、淵、やがて滝の連続したところが深い流れとなり、瀞、瀞峡になるという。
滝の魅力の一つは、どのような釜を持っているかだ。落差のある滝ほど大きな釜があるとは限らず奥深い。鍋釜、この大きな釜にどのような主が棲んでいたのだろうか。
(経路…すさみ南ICから県道36号を北進、大鎌地区へ)
(ニュース和歌山/2019年1月26日更新)
大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。