前回、不老橋の鶏卵紙写真を紹介しましたが、これも一連の写真です。絵葉書がもてはやされる以前、各地でこのような写真がお土産用として用意されていたのでしょう。

 正面に見える本殿は、現在ではかなり高い位置に移されています。手前の鳥居がかなり朽ちているようです。貫(ぬき)と呼ばれる部材の取り付け部が朽ちてきているのでしょうか、笠木から縄を下ろしてくくりつけ、落下を防いでいるように見えます。明治二十五年以前の風景です。

 紀国堂=和歌山市ト半町38、和歌山県建築士会館1階=店主の溝端佳則さんのコレクションを紹介します。

(ニュース和歌山/2019年9月7日更新)