この連載の第51回で、この写真と同じような構図で、一八九二(明治二十五)年に妹背山の拝殿(観海閣)でお土産用として販売されていた写真を紹介しましたが、これは更に古くて鳥居と本殿の間にあった建物が写っています。

 慶応三丁(ひのと)卯(一八六七)改刻『玉津島神社略記』に描かれている拝殿ではなかろうかと思われます。右の文字が消えかかっていますが、「紀州若ノ浦玉ツ嶋」です。なお、この写真は2・5×3・5㌢のごく小さなものです。

 紀国堂=和歌山市ト半町38=店主の溝端佳則さんの収集品を紹介します。

(ニュース和歌山/2020年4月18日更新)