和歌山市のはたぼーさん(59)から「シーサイドロードに大阪の熊取町のマンホールがあります。なぜ?」との質問を頂きました。

 シーサイドロードは国道42号、旭橋東詰の交差点を南に折れ、マリーナシティへ続く臨港道路です。

 はたぼーさんは散歩中に偶然、見つけました(写真左)。「市の紀州手まりの柄と違うものがあり、よく見ると『KUMATORI』とあり、びっくり」と話します。

 早速、シーサイドロードへ向かい、歩いてみると、あれれ…あちこちに? 新たな謎が…。

 


 

マニアに人気〝越境蓋〟 理由は…

 「シーサイドロードに熊取町のマンホールがあります。なぜ?」。まずはシーサイドロードへ。

 歩道にマンホールは多く、大半は紀州手まりか、和歌山市章入りのもの。コンビニからやや南にありました。「KUMATORI」の文字に、走る熊のマスコット、熊取町のマンホールです。

 さらに歩くと、あれれ。ハサミがそろばんの柄に囲まれたもの(写真上)、バラとサクラの模様のもの(同下)も発見。調べると、前者は兵庫県小野市、後者は大阪府寝屋川市のものでした。謎は深まります。

 「なぜ?」。和歌山市下水道管理課に尋ねると、「一帯は宅地開発をした民間業者から市が移管を受けたエリアのため、残念ながらマンホールの経緯は分かりません」と言います。

 HP「日本マンホール蓋(ふた)学会」の運営者によると、工事中にメーカーの在庫がなくなり、緊急に他地域のものを使い、そのままになった例が多いようです。

 これらは「越境蓋」とネット上で呼ばれ、愛好家に人気で、「北海道沼田町に愛知県春日井市の蓋があり、距離は1042㌔に及びます」とのこと。「見慣れないデザインを見つけ、調べたら越境蓋と分かることが多いです」と教えてくれました。

写真=シーサイドロードでは複数の越境蓋が見られる

(ニュース和歌山/2020年5月16日更新)