まもなく夏本番、暑い日は泳ぎたくなりますよね。今回は和歌山市のりほママさんからの質問「秋葉山にプールが建設されたのはなぜ? 山の中なのに」を調査します。

 秋葉山公園県民水泳場、通称あきばさんプールは、紀の国わかやま国体の水泳競技が行われ、競泳のカナダナショナルチームが合宿した本格派。子ども用プールやスライダーもある遊びスポットとして、7、8月になると多くの人でにぎわいます。

 管理する和歌山県都市政策課に聞きました。

 


 

水軒浜を埋め立てた代わり

 「秋葉山にプールが建設されたのはなぜ? 山の中なのに」。県都市政策課によると「当時をよく知る元県職員から、『水軒浜を埋め立てて木材工業団地を造る代わりにプールを建てた』と聞いています。建設場所として水軒浜周辺の各公園を検討した結果、秋葉山公園になったようです」。

 かつて紀の川河口の南に水軒浜が広がっていました。古くは「吹上の浜」と呼ばれ、和歌に詠われるほど風光明びな海岸で、遠浅の海水浴場として市民に親しまれていました。しかし、高度経済成長期、港湾整備の一環で砂浜の埋め立てが決定。その代わりとして1966年、秋葉山にプールができました。

 当時、山の中にあるプールは全国でも珍しく、市民の間で「山へ泳ぎにいく」との新語が生まれたと、72年に作られた県土木部の資料『和歌山の公園』に記されています。

(ニュース和歌山/2020年6月27日更新)