60歳代女性です。以前から腰痛があり、治りません。レントゲンを撮ってもらったところ悪いところは見当たらず、医師から「姿勢に問題がある」と言われました。改善方法を教えてください。

《回答者》
◆リハビリテーション科
今村病院リハビリテーション部 理学療法士 行 純市先生

 慢性的な腰痛にお悩みの人は男女・年齢問わず、大勢いらっしゃいます。腰が痛むと体が動きにくくなるため筋肉が硬くなり、それが筋力低下を招き、さらに痛みが生じます。その結果、歩行の安定性が低下し、転倒にもつながります。

 レントゲンなどで所見が見当たらない慢性的腰痛の場合、原因の一つに生活習慣が考えられます。なかでも、ふだんの姿勢に問題があるとなかなか治らず、長期化しがちです。よって、姿勢を改善して筋肉の状態を整える必要があります。

 一般的に日本人には、背中を丸めてあごを出す「猫背(円背)」が多いといわれます。また、猫背とは逆の「反り腰」になっている人もおり、いずれの場合も腰痛を引き起こす要因となります。

 猫背は、太ももの後面にある膝の曲げ伸ばしをする筋肉やお尻の筋肉が硬くなり、骨盤が後ろに傾くことで生じやすいといわれます。そのため、猫背の改善には、太ももの後面にある膝の曲げ伸ばしに使われる筋肉やお尻の筋肉の柔軟性を向上させることが重要となります。

膝裏筋肉の柔軟性高めるストレッチ

 それではここで、猫背改善に効果的なストレッチをひとつ紹介します(イラスト参照)。

 ①イスに座る。②かかとを床につけたまま、片方の足の膝を伸ばし、ゆっくりと体を前方へ倒す。③20秒間キープ。3〜5セット行う。膝の裏あたりがピーンと伸びる感じがしましたか?

 ストレッチ前後で柔軟性が向上したか確認する方法は次の通りです。①イスに座り、かかとを床につけたまま両膝を伸ばす。②両腕を前に伸ばした状態で体を前方へ倒す。③指からつま先の距離を測る。ストレッチ前より距離が短ければ、柔軟性が改善したと判断できます。

 このようなストレッチを実行して腰痛を改善するとともに、再び腰痛にならない姿勢づくりに取り組むことが大切です。

 なお、今回紹介したストレッチは、猫背の改善方法の一例です。この方法で症状が軽快する方もいらっしゃいますが、痛みが強くなる場合は、いったん中止してください。また、高齢になると骨粗しょう症による骨折のリスクが高くなり、脊椎圧迫骨折などを引き起こすこともあるため、注意が必要です。

 症状は人それぞれです。強い痛みにお悩みの方は、お近くの病院の専門医に相談し、適切な治療を行ってください。

(ニュース和歌山/2020年7月26日更新)