◆消化器外科・大腸肛門外科

大腸肛門病専門医 日本外科学会専門医 
      福外科病院 福 昭人院長 

A. 胆嚢(たんのう)結石を無治療で経過観察した場合、過去1年以内に結石による腹痛発作を経験した患者は、腹痛発作を経験したことのない、いわゆる〝無症状患者〟より、再び症状が現れる確率が高いといわれています。しかし一方で、前者が重篤な症状を起こして手術を受ける確率は、年々減少するという報告もあります。

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 また、無症状結石の患者でも、急性胆嚢炎、胆管炎、膵臓炎などの深刻な合併症を発生する確率は数%あり、年2〜4%の患者が無症状から有症状へと変化する危険性があります。

 外科的治療の基本は、胆嚢摘出術です。現在は、腹腔鏡という内視鏡を使った術式が確立されています。これはお腹を大きく切らないで行う手術で、患者の身体的負担が少なくてすみます。しかし、合併症を伴った胆嚢結石症は、合併症のない胆嚢結石症よりも、腹腔鏡での手術が困難となり、開腹手術に移行する確率が高くなります。

 外科専門医にご相談されてはいかがでしょうか。

(ニュース和歌山2015年8月22日号掲載)