◆外科

楽クリニック 藤田 定則院長 

 

 

 A.  下肢静脈瘤は、静脈内の血管の弁が壊れたことが原因で起こります。足で使われた血液がうまく心臓へ戻れず、血管内に溜まってしまうために血液の流れが悪くなります。根本的な治療は手術となります。

 手術は、約1時間〜1時間半ほど眠っている間に終わる「日帰り手術」が主流です。入院の必要が無く、手術後は歩いて帰宅できます。自宅ではベッドで寝ているよりも、普段通りに動く方がよいでしょう。散歩程度なら出かけても結構です。

 仕事や運動は翌日から始められますが、全速で走るなどの激しい動きや肉体労働は翌々日以降が望ましいです。マッサージなどは、痛みを感じない場所であれば受けても大丈夫。多少の内出血は、特に問題はありません。

 入浴は、翌日から可能です。湯船につかってもかまいません。手術した足をビニール袋で包んだり、足を上げて入る必要もありません。

 現在は、仕事を休めない人や家族を介護している人など、入院しづらい方をはじめ、高齢の人も日帰り手術で治療を受ける人が増えました。手術後の安静期間も大きく変化し、すぐに日常生活に戻れるようになりました。あまり悩まず、医師にご相談ください。

(ニュース和歌山2015年8月22日号掲載)