◆皮膚科

皮膚科専門医 
      かわくぼ皮ふ科クリニック 川久保 洋院長

A. お盆が過ぎ、朝夕に秋の気配を感じるようになりました。これからの季節、ご自身が気づかぬうちに、皮膚の乾きが進みやすくなります。

 四肢のかゆみが、「清潔にしよう」と洗いすぎたための過度の乾燥状態から引き起こされる「皮脂欠乏性湿疹」であることがよくあります。治療は、①洗いすぎを避ける ②保湿剤を使う ③湿疹の治療をする等になりますが、同じような症状で、薬疹や、腫瘍による「皮膚そう痒症」「魚鱗癬」の場合もあり、注意が必要です。

 一方、顔面や頭皮のかさつきは、皮脂が過剰なため生じているケースがあり、「洗うとさらに潤いが失われてしまう」と思い込んで洗わないでおくと、皮疹が悪化してしまいます。これは「脂漏性皮膚炎」と呼ばれる状態で、皮疹の部位、性状から、皮膚の状態を正確に判断することが大切です。

 また、「脂漏性皮膚炎」だと考えられていたかさつきが、実は外用薬の使い方を間違っていたことによるものであったり、化粧品や金属などの接触皮膚炎、さらに、膠原病の一種である皮膚筋炎や薬疹等の場合もあります。

 皮膚のトラブルは、一度、専門医を受診されることをおすすめします。

(ニュース和歌山2015年8月22日号掲載)