明治四十年前後に津田萬壽堂が作成した絵葉書の写真です。

 和歌山城内の御蔵の丸の雁木(石階)を登ったところにカメラを据え、東方の旧三の丸を望みます。明治維新後、町名がなかった和歌山城内は一番~十三番丁となりました。裁判所は二番丁です。

 左右対称の和風建造物は見るものに威厳と格式を感じさせます。内堀一面に繁茂していたハスは冬枯れの様相です。堀端のクロマツは、毎年立冬の時期に実施されるこも巻きでおなじみですが、百年以上経過した現在と比べるとかなりか細く感じられます。

 紀国堂店主、溝端佳則さんの古写真を紹介します。

写真=堀端通りの松並木はかつての面影を留めている

(ニュース和歌山/2021年5月15日更新)