国道24号、和歌山市中之島にある「地蔵の辻」交差点についての質問が届きました。岩出市のM・Yさんからの「地蔵の辻には昔、お地蔵様が祀られていたのでしょうか」です。

 交差点があるこの通りは、春になると満開の桜の花がドライバーを楽しませてくれます。しかし、交通量が多く、付近には学校があり、住宅も多い場所です。安全祈願のためにお地蔵様が祀られていてもおかしくない気はします。

 現場に行くと、ある看板が掲示されていました。

 


 

道路拡幅工事のため南へ移設

 「地蔵の辻にお地蔵様は祀られていたの?」。早速、現地へ行きました。見渡した限りお地蔵様は見つかりませんでしたが、交差点の北東になにやら看板が…。

 見ると「地蔵菩薩移転案内版」の文字が。やはり以前はこの場所にお地蔵様があったようです。どうやら道路の拡幅工事により、移転が必要だったのですが、交差点付近に場所がなく、2003年に約200㍍先に移転したそう。見に行くと確かにお地蔵様が居ました。

 お堂隣りの石碑などによると、紀州藩主徳川頼宣の母が作り、享保酉年(1717年か29年)に地蔵の辻へ立ちました。

 大阪まで続く大坂街道と、奈良まで続く大和街道の分岐点だったこの辺りにはお茶所があり、多くの旅人がここで一服していたそうです。

 少し場所が変わりましたが、お地蔵様は今も昔も、まちの交通を見守っています。

写真=お堂の中から町を見守るお地蔵様

(ニュース和歌山/2021年6月26日更新)