「ここって、なんでこんな地名なんだろう?」。改めて考えると不思議な地名について、これまでこのコーナーではいくつも調べてきました。今回は海南市のPNクミさんから届いた「海南市鳥居には〝鳥居〟があったの? あるならどこに?」です。

 近くに藤白神社がありますが、所在地は藤白。調べたところ、鳥居には地名として使われるほどの大きな神社や鳥居はなさそうですが…。

 なぜ鳥居と名付けられたのでしょう?

 


 

熊野「一の鳥居」があった

 「海南市鳥居には鳥居があったの? あるならどこに?」。海南市教育委員会によると、「この地域には、熊野の神域への入り口である『一の鳥居』がありました。定かではないですが、この鳥居が地名になったのではと言われています」とのことでした。

 実際に、内海小学校の南側、紀勢本線高架そばの三差路に「熊野一の鳥居跡」と書かれた石碑が立っています。そのすぐ近くには、聖域に入る前に心と体を清める祓戸王子の跡があります。

 熊野参けいが盛んだった平安時代後期か鎌倉時代初期からあったと思われる鳥居ですが、石碑横の案内板には、1549年になくなり、今は藤白神社が一の鳥居の役割を担っていると書かれています。

 神聖な熊野の入り口、一の鳥居。一体どんな姿だったのでしょう。

(ニュース和歌山/2021年11月13日更新)